大学生、それぞれの恋愛
「あ〜なんか、辛そうな顔させちゃったかも」
三波は複雑そうな顔をした。
「なに、どういうこと?」
俺は三波の次の言葉を待つ前に、水滴がたまった机の上を拭いた。
「ん〜香耶ちゃんに、太一のことどう思ってるか聞いてみた」
そのタイミングで、三波は机の上のチャイムを押した。
詳しく話を聞きたかったのに、チャイムが鳴って、すぐに店員が来たから詳しく聞くタイミングを逃したようだ。
「ドリンクバー2つで」
かしこまりました、と言って、店員は下がった。
「勝手に決めたけどよかった?」
三波は俺の顔をみて同意を求めた。
「あぁ、別にいいけどさ…さっきの話の…」
つづきを聞かせてくれ、と言おうと思ったのに、三波はドリンクバーに向かおうと席を立ったから、結局またタイミングを逃してしまった。