大学生、それぞれの恋愛
「アイスココアにした〜」
と嬉しそうに三波は言って、俺にはアイスコーヒーを差し出してきた。
「ありがと」
三波は俺の好きなものがわかっているみたいだ。
「香耶ちゃんのメアド教えてよ」
三波はココアのストローをくわえたまま、俺を見た。
「え、あ…聞いてなかったんだ」
メアドを聞いてなかったことに逆に驚いた。
「聞けなかったんだよ、香耶ちゃんには…」
そういうと、三波はニタっと笑った。
「香耶ちゃん、太一のことまだ好きだよ」
太一だってそうだろ?
なんて三波は聞くけど、そうだよ、なんて言ってもいいものか悩んだ。
「太一は引きずってないの?彼女…香耶ちゃんにそっくりじゃんか」
俺ははっとした。
自分でもわかっていたけど、他人にもそんな風に見えてたんだな、三波には最初から俺が好きなのバレてたんだな、て。