大学生、それぞれの恋愛

「ずっと…太一のこと忘れられなかった」


香耶はようやく、ずっと…の後をつづけた。

もう泣いてなんかいなかった。

「うん…」


「太一を忘れようとしてた。だけど無理なんだよ…どうすればいいの?」

控えめに俺の背中に置かれていた手の力がギュッと強くなる。

「忘れたりしないで。
香耶、俺も香耶が好きだよ。香耶以上なんかいない。


…もう一度付き合ってほしい」

体を離して、香耶を見つめると、香耶が嬉しそうに笑っていた。

「うん」


香耶が言うと同時に香耶の唇をふさいだ。

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