大学生、それぞれの恋愛
「じゃあまた連絡するねー」
なんて言って広隆と別れる。
この後わたしが広隆に連絡することなんてない。
どうせ一度きり。
相手に心がないと分かれば、わたしは深く彼を追い求めたりしない。
想うだけ辛いから。
…バイト嫌だな。
こんなときの21時からのバイト。
体は疲れてるし、なんとなく眠たくて集中できないから。
ただ立ったり座ったりの漫画喫茶の受付なんだけどね。
「こんばんはー」
広隆と別れた足でそのままバイト先に向かう。スタッフルームでは同年代の男子がいた。
「あ、こんばんは」
「今日受付します?それともバックとかにします?」
「あー平沢さんはどっちがいいですか?」
彼はわたしの名札に書いてある平沢という字を見ながら言った。
…名前くらい覚えてよ。
「受付がいいかな」