大学生、それぞれの恋愛
なぜか、ココアを飲み終わってバイトに戻ったあとでも彼の顔が頭からなんとなく離れなかった。
バイトを上がる時間が中津くんとかぶっていたから、一緒に休憩室を出た。
送っていくよ?なんて声をかけてくれたけど、私は丁重にお断りした。
きっとこのままずっと一緒にいたら、なんだか分からないけどダメな気がしたから。
中津くんと店の前で別れて、私は適当に携帯から名前を選んで電話をかけた。服部なんとかくん。したの名前を、知らない。下の名前は登録し忘れたから。
なんコールかなった後に、その服部くんが電話にでた。
『.もしもーし!平沢ちゃん?どした?』
「あ、服部くん?勝手に電話してごめんね?」
適当にそれらしいことを言う。ただ、今日の迎えが欲しいだけなのに。
『全然!もしかして、バイト終わり?迎えに行こうか?』
何回か迎えに来てもらったことがあるから、服部くんはなぜ私が電話したのか分かってくれたみたいだ。理解のできる男は嫌いじゃないよ。なんてね。
「え、悪いようー、でも良かったらお願いしたいな」
電話の向こうで服部くんは笑いながら、すぐ行くから待っててと言って一方的に電話を切ってしまった。