大学生、それぞれの恋愛
「本当ごめんね、ありがとう」
服部くんの車の中はなんとなくタバコの香りがする。
「全然いいよー!平沢ちゃん今日このあとも空いてるの?」
きっと多分、服部くんのこの言葉の意味を私は分かっているから…私は彼が喜ぶような返事をする。
「もちろん。でも少し小腹が減っちゃったかな!服部くんのお家て今食材とかある?」
「俺の家?うーん、多分適当に何かあったはず。平沢ちゃん何か作ってくれるの?」
ハハッて横で運転しながら服部くんが笑った。
「えー、服部くんのために作るんじゃないよー!自分がお腹すいてるんだもん」
それから何分かしてすぐに服部くんが一人暮らししているアパートに着いた。
服部くんがなんで一人暮らししてるのか、そんなこと前に聞いたことあるけど忘れてしまった。
いちいちそんなに人のこと覚えてられないし…。
ガチャっと鍵を回してドアを服部くんが開ける。
おじゃましまーす、いえいえーなんて服部くんと会話して部屋に上がらせてもらった。
「平沢ちゃん、俺オムライスねー!」
「だーから!自分にしか作らないよー!」
「でも俺の食材だよ?」
「ですね、作らせていただきます!…」