MY ROBOT








「・・・ここ」




古びた長屋の前で、

キユは足を止めてそう言った。




よし、と扉に手をかけようと

俺が一歩前に進むと、

キユにぐいっと引っ張られる。



「なに?」




「・・・てゆうか、

親父、病気か何かじゃないの?

家に居んの」




そう言われて、ハッと気付く。


「え、そうなの?」



「シュンが言い出したんだよ、

もう親父は長くないって」






「・・・悪い」




もっと考えるべきだったか。







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