MY ROBOT
トントントンー、と
リズムよく聞こえる
包丁とまな板がぶつかる音。
キッチンで豚汁づくりに励む
キユを、リビングから観察する。
「見ないでよ」
「はいはい」
あり得ないぐらい温かい空間。
例えばこの音が子守唄なら、
間違いなく俺は眠りについてるだろう。
そんな事を思いながらも
慌てて持ち帰ってきた書類に目を通す。
~♪
携帯が鳴った。
手探りで携帯を取って、耳に当てる。
「はい、もしもし」
トントントン、
とキッチンから聞こえる音と共に
俺の動きが若干止まった。
「はい、分かりました・・・
では後日また、はい、失礼します」
通話終了ボタンを押して
小さく溜め息をつく。
「シュン、どしたの?」
「いや・・・
今度のプロジェクトの事で、
取引先の人と会食する事になって」
「ふーん、いつ?」