□■恋愛の条件□■
「えっと…、あの、」
「先生ぇ、藍沙ちゃん今日は風邪ひいちゃってて具合わるそうなの。保健室つれてくね?」
「あ、あぁ」
僕が焦っていたら瑠璃ちゃんが手を上げて先生に言っていた。
「行こ?藍沙ちゃん」
「あ、うん」
正直、助かったけど。
でも次からはそうはいかない。
お姉ちゃんになりきるってことは、あんなのはスラスラ解けて当たり前にしなくちゃいけない。
教室を出ながら考えるのはこればかり。
まぁ、イジメられないからまだましだけど。
いつの間にか着いたらしい保健室は、どこか高級ホテルに見えました。
「彩ちゃん♪藍沙ちゃん具合悪そうなの。診てあげて?」
「珍しいわね。怪我したってこんなとこ来てやるかッて啖呵をきったのに」
流石の藍沙も病気には勝てないのね、と笑いながらこちらに来るのは、たぶん保険医だと思う。
白衣が似合わない人ってやっぱいるんだね。
そう思わずにいられないくらい、美人だった。