□■恋愛の条件□■

「えっと…、あの、」

「先生ぇ、藍沙ちゃん今日は風邪ひいちゃってて具合わるそうなの。保健室つれてくね?」

「あ、あぁ」


僕が焦っていたら瑠璃ちゃんが手を上げて先生に言っていた。

「行こ?藍沙ちゃん」

「あ、うん」


正直、助かったけど。
でも次からはそうはいかない。

お姉ちゃんになりきるってことは、あんなのはスラスラ解けて当たり前にしなくちゃいけない。


教室を出ながら考えるのはこればかり。
まぁ、イジメられないからまだましだけど。


いつの間にか着いたらしい保健室は、どこか高級ホテルに見えました。





「彩ちゃん♪藍沙ちゃん具合悪そうなの。診てあげて?」

「珍しいわね。怪我したってこんなとこ来てやるかッて啖呵をきったのに」


流石の藍沙も病気には勝てないのね、と笑いながらこちらに来るのは、たぶん保険医だと思う。

白衣が似合わない人ってやっぱいるんだね。
そう思わずにいられないくらい、美人だった。


< 17 / 22 >

この作品をシェア

pagetop