Memory
〜Prologue〜
―夢を見ている…
たぶん夢の中で記憶の残留思念を見ているのだと思う。
夢であり真実。
事実であり夢なのだ。
―キイィ…キイィ…
「…………ふぇっ…」」
薄暗い公園で一人、ブランコをこぐ幼い女の子。
私はそれを遠くから見つめていた。
「…泣いてるの?」
少し遠慮がちに女の子に話しかけたのは三つ編みにセーラー服の女の子。
優しくもどこか影のある人だった。