Memory
「目撃された場所とか…何か佐々木 舞衣さんに関係のある場所、もしくは物はありますか?」
『7時30分頃、南噴水公園で佐々木 舞衣さんらしき人が黒い大型車に乗る所を目撃されている。』
南噴水公園………
ここからそう遠くない公園だ…
『舞衣さんは美術部で成績も優秀。そんな佐々木さんが学校をサボったとは考えられないんだ』
真面目というのが相応しいというか…
信頼されてるんだな…
家族や先生からも…
「そうですか…彼女が一刻も早く見つかるように私も頑張りますから」
『ありがとう。校門で待ち合わせていいかい?』
「はい」
―ピッ
電話を切って私は屋上の出口へと足を向ける。
「…用事か?
何か物騒な単語がちらほら聞こえたんだけど?」
「そうだったとして…
あなたには関係無いから」
そう言って屋上の扉に手を伸ばした瞬間ー…
―ダンッ
「っ!?」
後ろから伸びて来た手が屋上の扉を押さえる。
私は振り向かずにドアノブに手をかける。