Memory
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現場へ向かう車の中、運転席に憐さん、助手席に私、後部座席に夏が座った。
沈黙が続く車内。私のせいだとわかっているから尚更沈黙が苦しい。
「なぁ…字祢の力って何?
警察と関わりがあるのもその力ってのが原因?」
最新に沈黙を破ったのは、後部座席に座る夏だった。
空気を乱した私が言うのもなんだけど…
…空気読めない人…。
「はぁ……私の噂、学校で聞いた事ある?」
夏の質問には答えず、逆に質問をする。
「…噂……?
字祢、噂が立つ程人気だったんだな!!」
「………………………」
楽しそうにそう言い切る夏から視線を外した。
「…ネジ…何処へ置いてきたんだろうね…」
夏には聞こえないように小さく呟いた。