Memory

――――――――――
――――――――
――――――


現場へ向かう車の中、運転席に憐さん、助手席に私、後部座席に夏が座った。


沈黙が続く車内。私のせいだとわかっているから尚更沈黙が苦しい。


「なぁ…字祢の力って何?
警察と関わりがあるのもその力ってのが原因?」


最新に沈黙を破ったのは、後部座席に座る夏だった。

空気を乱した私が言うのもなんだけど…


…空気読めない人…。


「はぁ……私の噂、学校で聞いた事ある?」


夏の質問には答えず、逆に質問をする。


「…噂……?
字祢、噂が立つ程人気だったんだな!!」

「………………………」


楽しそうにそう言い切る夏から視線を外した。


「…ネジ…何処へ置いてきたんだろうね…」


夏には聞こえないように小さく呟いた。








< 29 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop