Memory
「用が無いなら私行くけど」
そう冷たく言い放つと夏は慌てたように口を開く。
「今日から捜査に行くんだろ?俺も一緒に行く事になったから!」
笑顔で話す夏を呆然と見つめる。
何かの聞き間違いだろうか…
そうであって欲しい。
第一、何がどうなってそんな事になったのだろう…
「勘弁してよ…」
完全に疲れきった体を無理矢理動かして夏の手を握る。
「あ、字祢っ!!!?」
急に手を握られた夏は顔を真っ赤に染めた。
トマトみたい(笑)
そんなトマトさんを無視して意識を集中させる。