Memory
『今日はその事で板倉君にお願いがあるんだ』
憐さんは急に真剣な顔をして夏を見つめる。
『お願い…ですか…?』
夏はただ首を傾げる。
『あの子の…糸雨ちゃんの傍にいてあげて欲しい』
憐さん……?
どうして…そんな事……
『…そんなの!!!
当たり前です!!』
力説する夏を見て、憐さんは笑みをこぼす。
『…どんな時も…何があっても…彼女の全てを知っても傍にいてあげて欲しい』
私の全て………
それは…私自身もよく分かっていない事…