嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
パーティーは
派手に模様され、
最後のシャンパンタワーの時間になった。
マイクを持ったホストが
軽快なしゃべりで
アタシの名前が呼び、
リュウと一緒に
グラスが積み上げられたタワーの前に立った。
「リュウ、おめでとう☆」
アタシの祝いの言葉に、
リュウは耳元で
「ありがとう」と囁いた。
リュウがアタシだけのものになったと実感した。
2人で注ぐシャンパンが
キラキラと頂上から流れ落ちて行く。
イリュミネーションが
アタシたちを照らし、
気が付くと
何本ものシャンパンが注いでいた。
そのシャンパンは
他の客にも配られ、
リュウは調子に乗って
ラッパ飲みをして、
その場を盛り上げた。
すっかり酔っぱらったリュウは
グッタリと
アタシにもたれていた。
そんな子供ぽいリュウも大好きだった。
帰り際、
後輩ホストから伝票を受け取ったリュウは、
そのままアタシに手渡した。
金額なんてあまり気にしたことがなかったが、
伝票を見たとき、
「え?」と声が漏れた。
血の気が引くとは
こういうことだろう。
自分の目を疑った。
¥4725000
桁数を何度も指で数えた。