嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
枯葉が敷き詰められた
フワフワした地面を転ばないように歩いていく。
白樺の木にもたれるように、
腰を下ろす。
顔の角度を指示され、
情景に合う表情を作った。
日が落ちた山の中は、
冷たい風が吹き、
寒々しい空が広がっている。
最初に数枚の写真が撮られ、
次にビデオカメラが回った。
ゆっくりと立ち上がり、
木々の間を手探りで歩き出す。
おとぎ話の主人公にでもなった気分だった。
「じゃ……
そこで、着物を崩して行こうか」
照明が当てられ、
原田さんが帯を緩めた。
冷気が胸元から入り、一瞬身震いする。
「寒いけど、頑張ろうね」
原田さんはそう言って、
私の胸元をグィっと開いた。
小さな胸が見えそうで見えないところまで開かれる。
「葵ちゃん、その木に立ったまま、もたれてみて」
カメラマンの指示で、
緩んだ着物が解けないように手を押さえながら、
木にもたれた。
「そうそう!良いね。
じゃ、こっち見ながら、
小指噛んでくれる??
……そうそう、良い!!
次は片方の肩を出して」
カメラマンの指示通り、
着物を脱ぎ始め、
薄暗い山の中、
帯で胸を隠すまで裸を見せてしまった。