嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
ただ……、
男子が見ているような少年誌に写るグラビアアイドルとは
明らかに違っていた。
紐のような
ビキニを身に纏った女の子が
大きく股を広げ、
誘うような表情を浮かべていた。
他にも、
あどけない表情で写る女の子が
セーラー服のスカート捲り上げ、
パンツを見せているものもあった。
初めて見る衝撃的な写真に
ゾクッとする。
「どうかな?出来そう??」と、
微笑む緒川さん。
「……えぇ…え、あ…私……」
戸惑う私を見ながら緒川さんは
写真を集め、
クリアファイルに戻すと、
「驚いちゃったかな?
今ね、こういうのが流行っているんだよ。
“U-15”って
言葉聞いたことある??
学校で話に出たことないかな??」
……U-15??
聞いた事あるような、無いような……。
首を傾げる私に
緒川さんは視線を向け、
静かに話し始めた。
「うちはDVDや写真集の企画や製作、販売をやっている会社なんだ。
葵ちゃんには
そのモデルをやってもらいたい。
それは理解出来たかな?」
「……はい」
静かに返事をしたが、
あんなこと出来ない。
裸じゃないと言っても、
あんな姿で写真に撮られるなんて、
無理だ。
私には出来ない。
緒川さんは
うつむいたまま固まっている私から
お父さんに視線を変えた。