嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
「おお!!良いじゃん!!
幼い顔に大人ぽいメイク!
マニアの心を擽(くすぐ)る!!」
「そうですね。
U-15のアイドルって
こういうアンバランスなところに魅力ですよね」
「じゃ……
とりあえず、セーラーから行こうか!!
……下着は白ね。宜しく!!」
ご機嫌な緒川さんはそう言って、
部屋を出て行った。
「えっと…、
このセーラーに着替えてくれる??
あと、下着も履き替えてね。
……私は部屋から出るから、
着替えたら呼んで」
原田さんはそう言って、
部屋を出て行った。
一気に静まり返るシンプルな部屋。
1階から
物音がかすかに聞こえるだけで、
静寂が私を包む。
用意された真っ白な下着を持ち、
指定されたセーラー服を眺める。
「はぁ……」
ため息を付き、
着ている服を脱ぎ、
下着を外した。
鏡に映る裸の私。
棒のような細い身体に、
成長段階の胸。
全く陽に焼けていない真っ白な肌。
そんな身体に新品の下着を付ける。
上下セットになった
柔らかい肌触りの真っ白な下着は気持ちが良い。
そして、
ハンガーに掛けてあるセーラー服を着る。
鏡に自分の姿を映すと、
スカートの丈が
不自然なほど短く、
少し動いただけで
パンツが見えそうだった。
こんなスカート、
履いたこともなければ、
学校でも見たことがない。
これから私は、どうなって行くのだろう?
TVでこういう服を着て、
お酒を飲む男性の接客をする女性を見たことがある。
私もそれに近い存在になるのだろうか?
もしかしたら、
それ以上に悪いことするのかも……。