嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-

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「葵♪♪」



放課後、
帰る支度をしていると、

紗希が前の席に腰を下ろした。



「何?何だか嬉しそうだけど」



「ね?今日、フットサル部の練習、観に行かない??」



「えっ!?

……駄目だよ」



「いいじゃん!!

だって、
見ているだけで良いって言ってたじゃん!」



「そうだけど……」



教室には既に友井くんの姿は無く、

同じフットサル部の男子が
ユニホームに着替えているところだった。



「ね??ちょっとだけだから♪」



紗希は楽しんでいるようだ。


でも友井くんのフットサルをやっている姿

……正直、見てみたい気もする。



紗希の強引な誘いに、

「少しだけ……」と答えるが、

正直胸躍る感覚があった。



友井くんの活躍を見てみたい……


それが私の本音だ。



私たちは体育館に向かい、

二階のギャラリーからコートを見降ろした。



「あ!!練習しているよ!!」



フットサル部の練習を見つめる
私たちの他に、

数人の女子が胸に手を当て、

意中の男子を見つめている姿があった。


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