嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
肩をビクッとさせ、
ゆっくりと振り返ると、
不思議そうな顔で見ている
友井くんの姿があった。
またコンビニの前で会ってしまった。
会いたいけど、
今は会いたくなかった人。
「どうした??
何だか、顔色が悪いけど……」
「あ、いや……。
何でもない…」
顔を覗き込もうとする友井くんから視線を逸らす。
「良かった。
今日は泣いてないみたいだな」
「……え?」
「ほら、
この前は泣いていたから。
また何かあったのかと思って」
目尻を垂らし
優しく見つめる友井くん。
コンビニの明かりに照らされた友井くんの笑顔は
今、私だけに見せてくれているのだ。
そう思うと
ドキッとして、
胸が熱くなった。
「あのさ。
また公園で話さないか??」
沈黙を破るように、
友井くんが口を開いた。
「うん。良いけど……。
私、またお金持ってないんだ」
「そんなこと良いって。俺がおごるから」
友井くんはまた財布を開き、
自動販売機に120円を入れた。
「これで良い?」と
前回買ったものを指すと、
そのボタンを押し、
自分も同じものを購入した。