嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
私も14歳の女の子。
皆と同じだ。
普通に恋して、
男の子と付き合ってみたい。
でも……
やっぱりダメ。
さっき捨てた雑誌を思い出した。
Tバックのお尻を突き出している私。
小さな胸を押さえながら、
泣きそうになっている私。
それを見て、涙を流した自分。
雑誌を通して、
私を見た人が世の中にいる。
やっぱり私は他の子と違う。
もう普通の子には、
戻れないことをしてしまったんだ。
「小阪がフットサル部で好きな奴がいるのか??」
「ううん。違う!!
あの日はどんなことやっているのか
観に行っただけ。
好きな人なんて居ないよ!!!」
無理して明るく言う自分が、
悲しくなった。
きっと上手に笑えていない。
好きな人に“好き”って言えない。
そしてウソをつく。
いつものこと。
私はいつも諦めて生きてきた。
変わらない。
変われないんだ……。
「そっか……」
友井くんは少し残念そうなにうつむいた。
「……そろそろ行こうか」
「うん……」
私は小さく頷き、公園を出た。