嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-


「これは頑張ったお礼だから、

弟さんと一緒にゲームやって、

自分の作品も見て欲しいな」



作品か……

そんな風に言えば、カッコ良い。


だけど私はそんな風には思えない。



マニア向けに作られた
エッチはDVD。


それに私が出演しているのだ。



「ところで、
今日は葵ちゃんに話しが合ったんだ。

お父さんには
電話で話したんだけど……、

また撮影してみないかな?」



「えっ……?」



毛穴から嫌な汗が吹き出した。


握っている手の拳に力が入る。



「前回のDVDが評判良かったんだ。

今、U-15の女の子が
セクシーなポーズをするのが流行っているんだ。

葵ちゃんのファンから
次はいつ出るのか?という問い合わせもあって……」



熱弁する緒川さんと、

絶対にやりたくないと心に決めている私。



「どうかな?

……お父さんは了承してくれたから、
葵ちゃん次第なんだ」



首を傾げながら尋ねる緒川さんの前で、

お父さんが重い口を開いた。



「葵にはやらせます。問題ありません」



えっ?


何で??


前の撮影が最初で最後で言ったじゃん!!


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