嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
「シホはもう
この仕事あしないって言ってなかった?」
「うん……。でも…」
「もしかして、
まだリュウと切れてないの??」
「……うん」
リュウとは私の彼氏で
歌舞伎町のホストだった。
リュウとの出会いは、
キャッチと言われる
客引きで声をかけられた。
新宿のパチンコ屋で
バイトを始めて
3日目のことだった。
歌舞伎町のネオンと
リュウの甘い笑顔と
ハスキーな声に惹かれるまま、
入店してしまった。
リュウがとなりに座り、
お酒を作ってくれる。
軽いボディータッチと
楽しい会話に
アタシはハマってしまった。
それまでホストにハマる女なんて、
バカだと思っていたのに、
一日して覆された。
その日は
初回料金だったので、
手持ちのお金で
何とか払うことが出来たが、
帰り際に
連絡先を交換したことが
悪夢の始まりだった。