Bloody chocolate ー甘美な初恋ー



馴染みの深い声。


「...ひゃっ」


あっ

と思った瞬間に

視界がぐるっと反転し

大きな手のひらに左頬が

すっぽり埋まった。


「イクト...」



これじゃ
火照りは冷めるどころか

永遠に紅いままなのではないだろうか。


「何考えてた?」


いつもの薄い微笑みを

貼りつけたイクトの顔がそこにあった。



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