花霞む姫君

翔太

長い、折れ曲がった廊下の前で呆然とする私。

「そういや翔太の部屋なんて知らないじゃん…」


まあいいや、あの部屋から抜け出せたんだから。


縁側に腰掛けて庭を眺めてみる。


遠くから叔父さんたちの笑い声が聞こえてきた。


だだっ広い家。
何LDKなんだろう。

えーっとLがリビングだから…


リビング?
和室もリビングなの?


そんなことをぼんやり考えていたら、後ろから声をかけられた。
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