花霞む姫君
「では、花澄があとを継ぐということで、依存ございませんな?」


さっきゴチャゴチャ言ってた叔父さんたちは、下を向いたまま何も言わない。


「よろしい。それではこの会はお開きといたします。あとは伊世子の思い出話などしながらご歓談ください。 」


叔父さんはそういうと頭を下げて、どこか別の部屋へ行ってしまった。
翔太もそれに続いて退出。


残った親戚衆はなんだか微妙な空気で、誰からともなく静かに、恐る恐るお酒に口を付け始めた。


つか、叔父さんたちはどうでもいいのよ。

話の中心は私じゃなかったの?


誰も私を見ようとしない。


まるでそこにいないみたいに。
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