花霞む姫君
「…この親にしてこの子あり、か。」

と翔太がため息をつく。
ちょっと、私はともかく親のこと悪くいうと許さないわよ。

「要するに、お殿様の家ってことよ。」
と叔母さんが柔らかく教えてくれた。


そうか。
お殿様の家か。





「ええ~!?」


「まあ飯畑藩は3万石しかない小大名だから、大したことはないんだがな。」


それでもそれでも、殿様~?


「だから、世が世なれば叔父さんはお殿様やってるってわけだ。」

じゃあ、叔母さんはお殿様の奥さんで、
翔太たちは…若様?


…とてもそうはみえないけど。
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