花霞む姫君
「しーっ!お願いだからそんな大きい声ださないでよ。」

「だってだって…」

クラスのみんながこっちを見てる。


私はいたたまれなくなって、まゆみちゃんと藍ちゃんを廊下に引っ張り出した。

「まゆみちゃんが言ったの?」
「違う違う。昨日のアレを見てた人がいたのよ。」

確かに、あれを誰かに聞かれてたら、告白だと思われても仕方ないかもしれない。

「まゆみもそこにいたの?どういうことか説明してよ!知り合いだったの?」

「違うよ。私にもよくわかんないの。」
「わかんないって…」

と食い下がる藍ちゃんに
「そうよ、あんなの告白でも何でもないわ。」
とまゆみちゃんがフォローをいれてくれた。
「なんか、ナンパに近いものがあったわ。」


「じゃ、なんで告白なんて話になってるの?」
「知らないわよ。花澄は断ったし、話はそれでおしまい、でしょ。花澄。」

「うん…」


「ナンパとはなんだか素っ気ないなぁ。もうちょっと考えてみてくれてもいいのに。」

と、突然後ろから声がした。
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