花霞む姫君
「あっ、昨日の…」

振り向くとそこには昨日の三年生の転校生。
茶髪にイケメンの男子高校生、市ノ瀬克己がいた。


「えっ、あのっ、この人っ?」
とどもる藍ちゃんに
「俺が宮崎花澄に告白したのは本当。いずれ結婚するつもりだから。」
と、昨日と同じようなことを言った。


結婚…?

「けっ、結婚って!」
「俺たちは今すぐにだって結婚しても良いはずだ。君は17。俺は18。」


「だからって!」

とまゆみちゃんが遮る。

「本人の同意なしにはできないとおもいますけどね。」

そうだ、まゆみちゃん、そのとおりだ!
だけど、
「大丈夫。俺たちは結ばれる運命にあるんだから。」
まゆみちゃんのことは全く無視。

負けじとまゆみちゃん、
「三年生の先輩が二年生の教室になんの用ですか?」
と食い下がる。


だけど先輩は
「好きな女に会いに来て、何が悪い?」
と涼しげな顔で答えた。
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