花霞む姫君
するとまゆみちゃんが私の手を取り、無理やりおでこを見る。

「しまった…やられた!」


まゆみちゃんはものすごく悔しそうな顔をした。

まゆみちゃんのこんな顔、みたことない。

「おばさん、ごめんなさい。あいつを甘くみてた。私がついていけばよかった…」

「そんな、まゆみちゃんだけのせいじゃないわよ。
それにしても…」

と、お母さんも心配そうに私を見る。

「え?え?なに?なんでキスされたのばれちゃったの?」

「キスぅ?あんた、キスされたの?だから気をつけなってあれほど…」

「えっ、違うの?」

怒るまゆみちゃんをお母さんがなだめる。


「まゆみ、とにかく中に入って。鏡を見てみなさい。」

とお母さん。

なに、一体なんなの?
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