花霞む姫君

花枯れる

その夜から、雨が降った。

私は倒れたあと高熱が出て、結局お父さんの車に乗せてもらって自分の家に帰った。

翌日になっても熱は下がらず、おでこのあざは消えず。


私はおばさんのお葬式には出ないで、家で寝ていることになった。

せっかく忌引きで学校を休んだのに、病欠と変わらない状況。

でも、もう二度とおばさんの顔を見なくてもいいかと思うとホッとした。

今だけは、何も考えず、目を閉じて寝ていよう。


考えられないし。



だんだん激しくなってくる雨の音を聞きながら、眠っていた。
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