花霞む姫君

と、携帯にメールが届いた。

『学校が終わったら直接堀内にいきなさい。お母さんも行きます。』


「なに、メール？」
「うん…」


電車の車内放送が次の駅の名前を告げる。

「まゆみちゃん、私、次で降りるね。」
「えっ？いつもと違うじゃん…あ、そうか。」


付き合いの長いまゆみちゃんはすぐに察してくれた。


「なんか大変だね、花澄。」
「ん～なんかよくわかんない。」
「ぼんやりしてないで、気をつけていくんだよ。」
「はあ～い。」


お母さんみたいなまゆみちゃんの言葉に生返事をしながら電車を降りた。



そう、よくわかんない。

亡くなった叔母さんのことも、変な転校生のことも。


ただ、私の周りでなにか色々変わりつつあることは確かだった。