完璧な男[超短編]
完璧な男
ボクは非の打ち所がない完璧な人間だ。
視力は両目2.0以上、頭脳は大学院の教授レベルと言っておこう。
自分で言うのは気が引けるが、人望も厚いし、トークも面白い。
しかも背も高いし、顔も悪くない。
しいていうのなら、生まれつき少し耳が悪い、だが生活に支障はないから気にしていない。
このように完璧なボクはふと疑問を持った。
「なんでボクは完璧なんだろう?」
そう思い始めるようになった。
大学院の教授レベルの頭脳を使って、まず可能性があるものを考えた。
「血筋の問題だろうか?」
もしかしたら先祖にボクみたいな“パーフェクトな人間”がいたのかもしれない。
そしてボクは家の家計簿や文献を読みあさるなどして調べたが、
…それらしい物は見つからなかった。
自分が完璧な理由探しに行き詰まり数日がたった。
季節が秋になり始めて少したつぐらいに、ボクは先祖が眠る墓に参っていた。
「うわ…だいぶ汚くなったなぁ。」
それもそのはず、最近は理由探しに明け暮れてこの場所に来る事も少なくなっていた。
汚くなった墓を丁寧に磨いているとふとある物が目にとまった。
「なんだこれ?」
墓の後ろ辺りに文字が刻み込まれていたのだ。
「外国の文字か?…いや違う。」
…どうやら暗号らしい。
手詰まりかと思いきや、さすが完璧なボク、教授脳を使っていとも簡単に暗号を解読できた。
「オノ…レノ…シ…ンジ…ツコ…ノシ…タニア…リ?」
なるほど。
「“己の真実この下にあり”か…。」
この墓の下にボクが完璧な理由が!
…落ち着け。
今は真っ昼間だ、人目もあるし、急いでスコップで掘り始めても墓荒らしとして警察に通報されてしまう。出直した方が得策だ。
そう考え、ボクはその場をあとにした。
視力は両目2.0以上、頭脳は大学院の教授レベルと言っておこう。
自分で言うのは気が引けるが、人望も厚いし、トークも面白い。
しかも背も高いし、顔も悪くない。
しいていうのなら、生まれつき少し耳が悪い、だが生活に支障はないから気にしていない。
このように完璧なボクはふと疑問を持った。
「なんでボクは完璧なんだろう?」
そう思い始めるようになった。
大学院の教授レベルの頭脳を使って、まず可能性があるものを考えた。
「血筋の問題だろうか?」
もしかしたら先祖にボクみたいな“パーフェクトな人間”がいたのかもしれない。
そしてボクは家の家計簿や文献を読みあさるなどして調べたが、
…それらしい物は見つからなかった。
自分が完璧な理由探しに行き詰まり数日がたった。
季節が秋になり始めて少したつぐらいに、ボクは先祖が眠る墓に参っていた。
「うわ…だいぶ汚くなったなぁ。」
それもそのはず、最近は理由探しに明け暮れてこの場所に来る事も少なくなっていた。
汚くなった墓を丁寧に磨いているとふとある物が目にとまった。
「なんだこれ?」
墓の後ろ辺りに文字が刻み込まれていたのだ。
「外国の文字か?…いや違う。」
…どうやら暗号らしい。
手詰まりかと思いきや、さすが完璧なボク、教授脳を使っていとも簡単に暗号を解読できた。
「オノ…レノ…シ…ンジ…ツコ…ノシ…タニア…リ?」
なるほど。
「“己の真実この下にあり”か…。」
この墓の下にボクが完璧な理由が!
…落ち着け。
今は真っ昼間だ、人目もあるし、急いでスコップで掘り始めても墓荒らしとして警察に通報されてしまう。出直した方が得策だ。
そう考え、ボクはその場をあとにした。