〈BL〉愛してる
「それもそれで、
どぉかと思いますけど……」

一緒に苦笑いしてくれた。

「龍也は、当然
その場に居たんだよな?」

当たり前だが。

「勿論居ましたよ
しかも、透がずっと
屋上に居たのを
知っていたのは
私だけですからね
笑いそうに
なってしまって
必死で堪えるのが
大変だったんですよ」

「それは、ご苦労さん」

ポンと龍也の肩を叩いた。

「皆が帰る時に
一緒に出たから
結果、無断帰宅だな。
話が変わるけど
龍也の飯って美味いよな」

「そぉですか?
有難うございます」

学校から帰って
着替えた後
俺は龍也ん家に来て居た。

外の店に行って
見つかるのも嫌だし
かと言って俺ん家でも
何かとヤバいと思って
結果龍也ん家に来た。

此処なら、
見つかる心配が
少しは減るからな。

「普段は桜香ん家で
食う事が殆どだから
他の人が作った飯は
初めて食ったけど美味い」

自然と口から出た
幼なじみの名前。

「桜香って?」

龍也には話してなかったか?

「あぁ、幼馴染だ
俺ん家は、
親父と二人暮らしで
その親父も
しょっちゅう居ないから
何時も桜香ん家で
飯食ってるんだよ」

「何時か紹介して下さいね」

そうだな。

「今朝、俺を
送ってくれた時に
居たんだけどな
時間が無かったから
紹介出来なかったんだ」

あの時、居たんだが
時間的に紹介できなかった。

「同じクラスなんですか?」

「あぁ」

「幼稚園から
ずっと一緒なんだが
自分の事より
他人の事ばっかりで
俺が怪我した時とか
自分の事みたいに
痛そうな顔するんだ」

「優しくて、
よく気が利いて
ちょっとドジなところも
あるけどいい奴なんだ」

幼なじみ贔屓じゃなく、
本当にそういう奴なんだ。

「そぉなんですか」

その後、
子供の頃のを沢山した。

失敗した事や
嬉しかった事、
悲しかった事、
辛かった事も
かなり長い間
話してたのに
龍也は嫌な顔せずに
ずっと俺の話を
聞いててくれた。

そして、話終わると
龍也が言った。

「何時も
一緒だったんですね」

そぉ、俺達は
何をするにも
何時も一緒だった。

昔は桜香が
一番大事だったけど
今は龍也が一番大事だ。

「まぁな」
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