静かなる
「今拭いてあげるからね、」


その人物は立ち上がると、カチャカチャと音を立てて出ていき、すぐに戻ってきた。


カーテンをサーッと引く音がする。

ピチャピチャ、と水の音がする。


「今日はね、30度を越えたよ。今年は暑い日が続いて…熱中症には注意しないとね。

タオル、冷たくないかな?」


わたしはこの時間、何も考えないように努力している。

意味のないことをするのは虚しい。


実際何の意味もないのだ。
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