静かなる
「こんなことになるなら、あさみを無理に妻にしないで、自由にさせてあげるべきだったよ…。

もしかしたら、君と一緒にバイクが愉しめる男が君の夫だったら、君はこんなふうにならなかったのかもな。

俺は、怖かったんだ。

君に俺をどう思っているか、聞きたくなかったんだ。

聞かないようにしてた、そうしないと、君を妻にするのが辛くなるから…。
狡いんだ、こういう我が儘で罪深い男だ、俺は。」


慎吾の声は最早、懺悔になっていた。
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