静かなる
「もし君が目を覚ましてくれたら…、

俺は君を諦めようと思う。

だから目を覚まして。

前みたいに、自由に生きてくれよ。

俺みたいな夫は君には必要ないよな。

だけどさ…、

目を覚ますまでは俺、そばにいるよ。

な、

ごめんな…。」


慎吾はあさみの頭を愛おしく撫でた。

最愛の妻。

子供の頃から誰よりも愛していた。


俺は、君を失ったら生きていけないだろう。

でも、君が不幸になるほうが苦しいとわかったんだ。


許さなくていい。
だから…、あさみを元に戻す奇跡をくれよ。
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