Keyはーと
でも、そう紗耶香に頷きながら今日も無崎くんのことが気になって全部の授業なんて上の空で窓の外を見ながら無崎くんと過ごした日々を思い出していた。
初めて私から挨拶したこと。
しばらくたしら「おすっ」って無崎くんから挨拶してくれたこと。
私に笑いかけたくれた日。
初めて席が隣同士になって授業中、一緒に好きな歌やアニメについて話したこと。
初めてのメールで「松崎さん」と言ってくれたこと。
しばらくしたら松崎さんが「松崎」に変わって初めて苗字を呼び捨てしてくれたこと。
休んだ日に「ノートを貸して」と言われてノートを見せてあげたこと。
またに宿題を見せてあげて「古典の宿題ってこれであってる?」って聞いたら「写させて」言われたこと。
(思い出しても虚しいだけなのに)
無崎くんのことを思い出していたら視線が無崎くんの方を向いてしまった。
私の席は真ん中の列の左側の一番前。
無崎くんの席は窓側の列の左側の一番前。
無崎くんは授業に集中したのか気づかないふりをしたのかその日、無崎くんが私と視線を合わせてくれることはなかった。
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