命〜失って気付くモノ〜
「………。」




『実の父親に産まれてきてほしくない!!なんて言われて…でも無事に産まれたら可愛がるって…そんな風に思われて産まれてくる子供なんてかわいそすぎるよ…皆に喜ばれて、望まれて産まれてきてほしい!!パパとママの愛情たっぷりの暖かい家庭に産まれてきてほしい!!でも…もう無理だよ』


私は意外にも落ち着いて話をした。


そして海斗はゆっくりと口を開いた…


「2人で貯めたお金…手術費用にあててほしい…」


考え直してほしいという最後の少しの私の望みも虚しく終わり、私の中から完全に海斗への想いが消えた…


『お金払ってそれで責任取ったつもりにならないで!!女は一生傷を追っていく事になるんだよ!?お金は自分で用意します!!何もしなかった罪悪感で苦しめばいいんだよ!!2人で貯めたお金はきっちり後日郵送するから!!それで少しでも借金返済しなよ、貧乏人!!二度と私の目の前に現れないで!!』




そう言って電話を切った…
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