精一杯Love
…どうすればいいんだろう…。
そう悩んでると。
≪行ってきなさい、萌加≫
っていう真白の声がトランシーバーから聞こえてきた。
そっか。行ったほうがいいのか。
「咲彩、私行くよ。祐人って人と会ってみたい」
「ほんと?じゃあ行こう!」
そう言って、咲彩は私の手を強く引っ張って私を立ち上がらせる。
「祐人はねー、小さいころから女にもてまくってたからさぁ…あんまり女の子好きじゃないらしいの。
まぁ、あんまり表には出してないんだけどね」
…そうだったんだ。
≪…良いこと聞いたわね。
そうだ。もし、佐野に誰?って聞かれたら…毛利ニーナって答えなさい≫
…ニーナ?誰それ?
≪あのさ。新菜の新をもう一つの読みで読むとニイでしょ?だからさ。ニーナ≫
そっか。私が萌加って自己紹介したら、金髪の萌加の正体までばれちゃうからか…。
「よし、分かった。行こう、咲彩」
そう言って二人で隣の佐野家に向かった。