精一杯Love
「あ………この子はね、新……モガッ」
急いで咲彩の口を塞ぐ。
ここでばらされたら一貫の終わりだから!
「……ニーナ。毛利ニーナです」
「なんでよ、も…モガッ」
ヤバい。これ以上咲彩に喋られたらまずい気がする。
「咲彩、ちょっとこっち来て。佐野さん、ちょっとごめんなさい」
うふふ、とちょっとした薄笑いを浮かべる。
そして、私は咲彩の腕をがっと引いて祐人の顔が見えないところまで移動する。
「咲彩。私が新菜萌加だってこと、絶対言わないで」
「なんで…って。そっか。せっかく学校で正体隠してんのに祐人に言ったら全部終わりか」
「そう、だから絶対喋らないでね?」
ふぅ…咲彩が自分から勘づいてくれて一安心だ。
もし、これで金髪の私が萌加だってばれたら計画も全部パーになっちゃうよね…。