精一杯Love


そう思いながら車に乗ると、車についている鏡でヘアスタイルをセットする。

今は黒髪のストレート。実はこれ、ウィッグなんだよね。


ウィッグって気分によって髪型を変えられてすごい便利なんだ。

これに、黒ぶちの眼鏡をかければ完成!



学校では学級委員の真面目な子だからね。でも、学校のみんなは私の髪がウィッグだってことを知らない。


知ってるのは、私の親友の岡部咲彩(オカベサアヤ)だけなんだよね。


咲彩は私の小学校からの友達。私がここの学校に来るって言ったら、咲彩も一緒についてきてくれた。咲彩の家は大きな会社だしね。




「お嬢様、学校につきました」


白石さんの声が前のほうから聞こえる。


「ありがとう。行ってきます」


そんな挨拶をして車から降りる。校門をくぐり、校庭を歩いていると後ろから声が聞こえてきた。



「萌加ぁー!!おはよう!」



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