精一杯Love


「この間、参加したパーティーで咲彩さんとは出会ったんです。うちの会社、あんまり大きい所じゃないんですけど…」



「へぇ。なんて会社?」


…怖い、怖いよ!会社なんて架空だよ…。


≪萌加。新菜財閥の傘下の毛利ホテルだって言っておきなさい≫


私がおどおどしていると真白の指示が聞こえた。

…毛利ホテル。確かに、そのホテルは新菜の傘下にあるけど。


もしかして、こうなることを見込んで真白は…私にそんなこと言ったの…?



…真白、かなり頭いい。怖すぎる…。



真白との会話は一回終わらせて祐人に向き直る。


「毛利ホテルです。あの、新菜財閥の傘下の」


「そう。分かった、ありがとう」


そう言って柔らかく笑った祐人。


へぇ、笑うとカッコいいじゃん。
< 30 / 43 >

この作品をシェア

pagetop