精一杯Love
「この間、参加したパーティーで咲彩さんとは出会ったんです。うちの会社、あんまり大きい所じゃないんですけど…」
「へぇ。なんて会社?」
…怖い、怖いよ!会社なんて架空だよ…。
≪萌加。新菜財閥の傘下の毛利ホテルだって言っておきなさい≫
私がおどおどしていると真白の指示が聞こえた。
…毛利ホテル。確かに、そのホテルは新菜の傘下にあるけど。
もしかして、こうなることを見込んで真白は…私にそんなこと言ったの…?
…真白、かなり頭いい。怖すぎる…。
真白との会話は一回終わらせて祐人に向き直る。
「毛利ホテルです。あの、新菜財閥の傘下の」
「そう。分かった、ありがとう」
そう言って柔らかく笑った祐人。
へぇ、笑うとカッコいいじゃん。