精一杯Love
「なんだかんだでいつも真白君のを受けているからな…。そりゃ1分で起き上るようにもなるよ…」
ははは、と乾いた笑い方をするお父様。
…なんか会うたびにこうやって倒れてるってことかな。
「萌加。私が、作戦を考えた。それが、この紙ね。あなたの親友の咲彩をもだますことだから…ばれないように気をつけてね」
…改めて聞くと、心が痛い。
祐人をだますだけならまだしも咲彩まで。
でも、背に腹は代えられない。私、がんばらなくちゃ。
がんばる前に採用試験ね…。
これを全部覚えて試験に臨む。せっかく真白が考えてくれた作戦なんだ。
私がしっかりと実行しないといけない。
「萌加、採用試験までの道のりは長いようでかなり短いわよ?」
「うん、分かってる」
「萌加にやってほしいことは、3つ。カラコンの調達と、採用試験の服選び。あとは…履歴書の内容を覚えること。大丈夫?」
「大丈夫、必ず成功させて見せるから」
そう意気込んで私は真白に返事をする。そして、採用試験の日を迎えることになる。