精一杯Love

「おはよう、咲彩!」

後ろから私に抱き付いてきたのは親友の咲彩。

ほんとにこいつは朝から元気なんだから…。



そして、咲彩はぽすぽすと私のウィッグの髪の毛を触る。

「うーん…なんかもったいないなぁ…。この下って金髪でしょ?しかも天然の。隠しちゃうってもったいない…」


「隠さなかったら不良っぽいじゃない」

咲彩の言うとおり、私のウィッグをつけない髪は金髪。お母さんがイギリス人と日本人のハーフなんだ。


つまり私はクォーターっていうわけです。


この黒目もカラーコンタクト。私の何もつけていない容姿ってお母さんの方のお祖母ちゃんの若いころにそっくりだって言ってた。


ウィッグって改良されて来てるけどまだだいぶ暑いんだよね~…。




「あ、今日ってさ…朝礼じゃなかった?!早く視聴覚室に行かなきゃ先生に怒られちゃうよ!」


と、咲彩が叫んだ。


…すっかり忘れてた。学級委員だから私なんか早く行かなきゃなのに!


「咲彩、行こうっ!」


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