精一杯Love


耳からはいつものように真白の声がする。


多分テストとか面接中にこのイヤホンが見つかったらそこで即刻退場だと思うけど…。


幸い真白が作った最小のイヤホンは見つかったことがない。



…さすが、真白だわ…。


けど今日は私が声を出してたらおかしいということで真白からの声しか聞こえない。


「ニーナ、がんばってね。多分テストなんてニーナにしてみれば簡単だと思うから」


…真白、それは私のことを過信しすぎなんじゃないのかな。


そんなことを思いながら佐野のビルの自動ドアをくぐる。



受付嬢の片方に送られてきた書類を見せる。

…化粧ケバイし、香水の匂いきっつい…。



「16階の会議室になりますね。そこのエレベーターで16回まで上がっていただいてエレベーターホールをで出て右に曲がってください」


「ありがとうございます」


そう簡単な挨拶をしてからエレベーターホールに向かった。


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