精一杯Love
…無事に朝礼は終わった。今はクラスに向かって歩いてる途中。
咲彩がキャッキャと楽しそうに話しだす。
「あ、そうだ!萌加、今日家に泊りに来ない?お母さんがケーキ焼いたんだって~」
「行く。どうする?学校から直で行っていいのかな?」
「あ、良いよ~。ってゆかさ、いつも何のお構いも出来なくてごめんね」
…何言ってんだろうかこの子は。
もちろん咲彩の家は大きい。その家に遊びに行って何のお構いのないわけないじゃないか。
こないだなんて出てきたお茶がイギリスの最高級品だったからね…。
「あ、でもわたし一回家に帰らなくちゃ。お父様から話あるんだって」
「そっかぁ。じゃあ待ってるからいつでも来てよ。萌加が直接来るなら私のお泊りセット貸そうと思ってたけど…自分で持ってくる?」
「分かった」
短く返事をして私は自分の席に戻る。さて…面倒な授業の始まりだ。
早く終わらないかな。早く咲彩の家に行きたい。