精一杯Love
「つきましたよ、お嬢様」
ウトウトしていた私は、白石さんのそんな言葉で起きた。
「ごめんなさい、ありがとうございます」
車を降りて、家の門をくぐる。家では一切のメイドさんとかお手伝いさんを雇っていない。
お母様がすべて自分でやりたいと申し出たそうだ。まぁ、金持ちにしては珍しい家なんじゃないかと思う。
「姉ちゃん、おかえり」
後ろからそんな声がした。
「司か…。誰かと思ったじゃない」
「あはは。ひどいなぁ。俺、今から出かけてくるから。母さんたちに今日の夜いらないって言っといてくれない?」
「私だって今日は咲彩の家に泊まるわよ。お母様たちには自分で言いなさい。
そうだ…司、あんたさ、出かけるのも良いけど…女遊びもほどほどにしなよ」
「…ッ。なんで知って…」