精一杯Love
司はひいき目で見なくても、かなりカッコいい。
まぁ、単細胞な女なんて多分いくらでも寄ってくるだろうし…。
それより、こんな毎日のように夜遊びしてれば嫌でも分かるよ…。
「…姉ちゃんに関係ないだろ。
俺、行ってくるから。父さん、姉ちゃんのこと呼んでたぞ」
そう言って、玄関を出て行く司の表情は諦めたような、でも少しさみしそうでよく感情の読みとれない目をしていた。
「つ…司!」
そのことが気になって急いで司を呼びとめる。
でも・・・司はそんな声を無視するかのように、足早に去ってしまった。
…なんであんなに辛そうな目をするんだろう。そんなことを考えていると。
「萌加!パパが呼んでるわよ。早くいらっしゃい」
と2階からお母様の声が聞こえてきた。
「…今、行きます」
2階にぎりぎり聞こえるような大きさで返事をすると、私は自分の用事の内容を伝えた。
「私、今日は咲彩の家に泊まろうと思います。あと、司が今日ごはんいらないと言っていました」