ヴァンパイアと人間
「けど、見つかったの!!」
「え?」
見つかったって...?
「じゃ、いっただっきまーす!!!♪」
智乃君はあたしの首元に顔を埋めた
「ちょっ...智乃君!!!」
あたしは慌てて智乃君を突き放した
「ちぇー、ちょっとくれよ」
「き...牙...!!!!」
智乃君の口には2本伸びた牙
牙!?
なんで!?
人間じゃないの!?
どういうこと!?
「驚いた?」
ニッと笑う智乃君
驚いたどころじゃない...
ケタ外れ!!!!
「ヴァンパイア、本当に居んだぜ?」
「ヴァンパイア...?」
智乃君が、ヴァンパイア...?
「実桜ちゃんの周りに居る奴、全員ヴァンパイアだぜ?実桜ちゃん、特別な血、持ってる人だからさ。自然と近寄っちゃうんだよね~」
特別な、血?
「翔琉や、涼子、も?」
「そうそう。雅樹もだぜ?まあアイツは綺麗な心してっから実桜ちゃんには手、出さないし血なくても俺ら、生きる方法はあるし」
翔琉や、涼子も...ヴァンパイア...?
今まで、ずっと、一緒、だったのに?